東京奄美会が文化講演会

「子どもに自尊心を」

ゆずり葉の郷の三浦所長

東京奄美会が文化講演会

東京奄美会(宮路正治会長)は7日、東京都の品川区立総合区民会館で2024年度文化講演会を開催し、奄美市名瀬のNPO法人奄美青少年支援センター「ゆずり薬の郷」の三浦一広所長 (69)が40年近くにわたり行ってきた青少年の相談文援・保護活動を紹介し、「見捨てられた子どもたちには自尊心を育んであげることが大切だ」と訴えた。文化講演会は毎年1回開いており、過去にはノーベル賞受賞者・北里大学特別栄誉教授の大村智さんや塩田康一鹿児島県知事など、各界で活躍する人物が登壇している。三浦さんは今回、「すべての子にチャンスを!人生の逆転!心の復興を求めて!」と題して講演。消防士だった40年近く前から青少年保護活動を始め、2000年に民間ボランティア団体を発足。非行やいじめ、虐待などの問題を抱える児童生徒や保護者、障がい者などの相談に応じ、「自立・共生」を目指す支援活動を続けている。17年には南海文化賞福祉部門を受賞した。三浦さんは、自身の家庭も貧しく、いじめなど試練の多い子ども時代を送ってきたが、それを跳ね返すきっかけとなったのが空手で初めて褒められたことだった。「育児放棄などでどこにも居場所がなく、満たされない子どもたちは地域にまだたくさんいる。子どもたちの自尊心に誰かが火を付けてあげる必要がある」などと話した。講演後には懇親会が開かれ、島唄や六調などで約120人の参加者たちが交流。三浦さんとも話をするなどして親睦を深めていた。宮地会長はあいさつで「青少年の保護活動を30年以上にわたって行う三浦さんの活動は誰もまねできないもの。郷里の奄美の未来も明るい」と、貴重な地域での福祉活動に感謝を示した。